「プロモ未来ラボ」研究員ブログ

「プロモ未来ラボ」では、所属研究員たちが「気になる」・「知りたい」・
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日本最古のゆるキャラ、お寺さんにあり!

2019年5月29日

皆さんはこのキャラクターをご存知でしょうか。

私は御朱印を集めているのですが、その最中に出会いました。場所は東京都調布市にある深大寺。開創1300年の古刹です。その御朱印に悪魔のようでもあるし、ムシの化身にも見える、きもカワイイ姿が押印されていました。そのときに思ったのです、「ついにお寺にゆるキャラ?」と。
 

そこで調べてみたところ、ゆるキャラどころか、ものすごい“れっきとした人”だったことがわかりました。
 

角大師

名前は元三大師(がんざんたいし)、またの名を良源(りょうげん)といい、西暦912年生まれの天台宗の僧侶です。第18代点台座主(天台宗の最高責任者)も務めた人物。985年の1月3日に亡くなったことから、元三大師と呼ばれるようになりました。おみくじの創始者としても知られています。
 

さて、鬼にも似たこのお姿は「角大師(つのだいし)」といい、お弟子さんによって描かれたもの。当時、ある村では疫病が流行していました。病とは疫病神と信じられていたころ、彼も疫病神に触れてしまい、高熱と激痛に襲われましたが、精神統一によってその疫病神を退散させました。元三大師は自分の能力を使って人々を救いたいという気持ちから、弟子に「鏡に映る自分を書き写すように」と頼んだところ、弟子の目の前で、大師の頭に角が生え、目を見開き、口は耳元まで裂け、身体はみるみる骨ばって恐ろしい姿に変わっていきました。怯えながらも必死に描いたその像は、元三大師が鬼の姿になって疫病神を追い払ったとして、お札に刷られました。そして村の人々が各家の玄関口や戸口に置いたところ、病にかからなくなり、病人も全快したと言われています。それ以来、病だけでなくさまざまな災いからも逃れられる魔除けとしてあり続けました。
 

皆を想い、病から救った元三大師の化身「角大師」は、1000年以上愛されているまさしくヒーロー。深大寺だけでなく、天台宗のお寺には彼が描かれた御朱印やお札が売られているそうで、もしかしたらあなたの町でも会えるかもしれません。
 

「プロモ未来ラボ」研究員:かおり